TOB
- チップ
- 2020年11月22日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年11月26日
Take Over Bid。もはや正式名称も忘れかけていたが、ロングポジションの銘柄にTOBのアナウンスがあった時の気分は格別である。機関投資家として30年運用していたが、そんな僥倖にありつくことは極端に少ない。ただこのところ件数が増えている気がする。
今年自分のファンドでファミリーマートをロングした。
「業績はイマイチだけどアンダーパフォームしているし、低バリュエーションで下値限定かな」と消極的動機。
数か月後、決算発表前日。「やっぱ見た目の業績悪いんだろうな、、人は見た目9割って言われるし株もそうやろ、、」で全売却。
そして決算発表。予想通りイマイチな見た目。
でもTOB。伊藤忠から30%プレミアム上乗せTOB。
まあ多少なりとも推測可能な話だけど、前日売却は何とも切なく、情けない。。
ファミリーマートとの入れ替えで、島忠をロングした。
「業績好調はノーサプライズだけど、相変わらず極端に低PBRだし下値限定かな」と消極的動機。
するとTOB報道。DCMが検討と日経が報道で思わずガッツポーズ。
ところが1週間経っても正式アナウンスがない。大体この手のネタは遅滞なくリリースがなされるものだが、梨のつぶて。株価はとりあえず経験的なプレミアムの25%程度上昇後、行き場をなくし右往左往。
「まさか誤報とか?、、もしそうなら急落するで」と思った。
思い起こせば90年代前半、良好な事業環境と豊富な資金を持ちながら投資家の成長期待に応えられない小売3社があった。格安紳士服量販店、カー用品小売大手、そして島忠。口の悪いアナリストは「小売の3○○トリオ」とそのマネジメントクオリティを批判した。
この対応の遅さはその血脈の成せる悲劇の最終章なのか。。?
売ろうかと思ったが、何とか踏みとどまった。そしてやっと正式リリースが出た。
上昇後から更に20%のプレミアムでのTOBで、「ああ、これでファミマの傷跡も少しは癒えるよ、ありがとう!」
ところで知らなかったのだが、TOBに応募する場合、その決済を担当する証券会社のアカウントに株券を移管する必要があるという。私は当該証券会社と取引がないので、新規にアカウントを開かなければならないことになる。
「とっても面倒だな、、場で売っても5円くらいしか違わないし処分するか」で1週間ほど経った後、市場売却。
2日後、ニトリのTOB報道。株価は更に25%上昇。
何で気持ちよくTOBの喜びを味合わせてもらえないかな。。
その後また正式リリースの出ない妙な間があり、ようやくファイナルの買収価格が出て更に10%上昇。
こんなに株価が何回も息継ぎするTOBも珍しい。相場格言に「(利食いで)魚の頭と尾っぽはくれてやれ」というのがあるが、TOB(Totemo Oishii Bid)という魚くらいは隅々まで食べ尽くしたいものだ。
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