夢の日々
- チップ
- 2024年1月4日
- 読了時間: 3分
午前5時半、32階の部屋で目覚める。
まだ寝ている妻を起こさぬよう、暗闇で音を忍ばせてバスルームに移動し、簡単な支度を調える。
エレベーターで1階まで降りる。この時間はさすがに誰も乗ってこないから直行だ。
エレベーターホールから歩いて5秒、同じ建物内の隣接フロアに足を踏み入れる。
そこは早朝の静寂とはかけ離れた煌びやかで喧噪の、カジノ。
午前5時45分、起きてから僅か15分でブラックジャックのテーブルに身を沈め、嬉々として打ち始める。。
という朝から始まり、一日中好きな時にギャンブル出来る夢の日々を久しぶりに過ごした。コロナ後初めての海外、ラスベガスに行きたいところだが先ずは近場のマカオから。
現地に着くと、相変わらずそこら中で建設ラッシュ。この特別行政区は初めて行った15年前から終わりのない拡大が続いていて、その巨大で独特のデザインを誇る圧倒的な建物群を見るにつけ「これは適わん。。」といつも思わざるを得ない。
この年末年始は本土の3連休だったこともあり、マカオには史上最多のインバウンドがあったようだ。確かにその期間はまともに打てる環境ではなかった。
と言っても、年末だけでなくここでストレスなく打てる時期はほとんどない。
自分はディーラーとマッチアップで打つのが好きだ。ターン数が多くなるので嫌う人もいるようだが、すべてが自己責任の世界は投資と同じで性に合っている。ただ真っさらなテーブルにありついても、すぐに何処からともなく賭人やギャラリーが集まってくる。それは驚くほどすぐに。
賭人は千差万別。今まで驚愕のプレイを見てきた。
ハード17でヒット、12でダブル(ディーラー10)、ソフト6でステイ、人のベットにミニマム以下のチップを載せてくる、随分長考だなと思ったら寝ている、、枚挙に暇がない。
それでも自分に影響がなければ良いが、そうはいかない。バックベットは日常茶飯事で、勝てば良いが、16ヒットでバストしようものなら露骨な舌打ち。自分は「2は絵札の親戚」と思っているのでディーラー2の時に9や10でダブルしないが、これにもため息。あと多いのがちょっと勝ってる時に自分が入ろうとすると文句言ってくるヤツ。「このテーブルは良い調子だから崩せない。おまえは入れない」と。自分はそういう時絶対に入っていく。自由市場経済を分からせるためだ。いつまでも計画経済に浸ることは出来ないよ、と。
ギャラリーも手強い。自分一人の淡々としたプレイに10人以上集まってくることも珍しくない。ちょっとなら良いが他人のベット延々とみて面白いのか?
賭けないのに堂々と椅子に座るオバさん(しかも自分のすぐ隣)、目が悪いのかグッと乗り出してたばこ臭い顔を近接させるオヤジ、自分は賭けないで大声で他人にあれこれ指図するオヤジ(コーチ屋か?)、連れの女に後ろから跨がらせる男(さすがに止められた)。。
斯様に劣悪な環境もあるにはあるが、それでも風前の灯火感もある日本のカジノの未来を考えれば、そこそこ近くで山ほどカジノホテルがあり、飯だけは美味い彼の地はやはり捨てがたい魅力を備えている。何のかんの言っても今回のようにまあまあ勝てれば、実はすぐにでもまた行きたいのだ。
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