コンサート
- チップ
- 2023年7月2日
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「ライブ」ではない。50年前に建てられた中野サンプラザが閉館を迎え、「中野サンプラザさよならコンサート」なるものが連日行われているのだ。日替わりで、ゆかりのあるアーティストなどがライブを行っており、最終日の今日は山下達郎が締めるらしい(あまり中野っぽくないが)。その中の一日に参加してきた。
私が行ったのは「ニューミュージック系の集い」の日。ただ、10組以上が出演する中で確実に知っているのは南こうせつ、イルカ、尾崎亜美のみ。後は名前も歌も知らない方々ばかりで、特に半分はレコード会社の関係かほぼ新人が占めるような構成で、正直ワクワクはしないが、こちらもたまたま抽選で当たって「じゃ行くか」程度の熱量なのでお互い様である。「神田川」と「なごり雪」が聴ければ良いや、てなものだ。
会場は年季が入っているが、お客様もそれ以上に年季が入っている感じで年齢層は40~80といったところか。着いて知ったのだが我々の座席は何と最前列のほぼ中央。飛沫飛んで来るよ~、なんて野暮な事は言わないが、あまりに近すぎて何か恥ずかしい。
トップバッターはイルカ。72歳らしい。ショートパンツをはいていた。「何でこの人はずっと変わらないのか」と思っていたが、間近で見てもやはり若かった。
全員1人2曲づつの割り当てらしく、最初の曲は「みんな~、おなじ~、生きているから~♪」という内容のやつ。あ、それね。曲名わからないけど知ってますよ。
イルカ「さあ皆さんご一緒に!」って、そこまで知らないし、1曲目から歌わされるのはシンドい。普段しないマスクを着用してやりすごす。
そして次の曲。さあお待ちかね、バッチこーい!
イルカ「次の曲は、、コロナ禍の時に作った曲で、、」
え、ちょイルカさん、、「なご、、」
イルカ「ライブもゼロになってこれからどうしようかと考えてた時期、、」
うん、辛かったよね、でもやはりここは「なごり雪」を、、
イルカ「聴いてください、○△#&、、(記憶なし)」。。残念。でも新曲も良い歌だった。
その後は忍耐の時間。知らぬ人達による知らぬ歌。皆さん歌は上手いしそれなりに楽しめたけどね。そして2時間が過ぎた頃、こうせつが登場し「今から20分の休憩でーす!」。
え、コンサートって休憩あったっけ?戸惑いながらも実は有難い。お客様は脱兎のごとくトイレへ向かっていく。もちろん自分も。これ長い映画とかでも作って欲しいと感じる。
休憩明けは尾崎亜美の登場。66歳らしいがこの人も若い。ただ3月にのどの大手術を受けたそうで、完全には遠い状態らしい。それでもこのコンサートに間に合わせたかったらしく、緊張がハッキリ伝わるほど鬼気迫る歌唱で終わった後は涙ぐんでいた。「マイピュアレディ」と「オリビアを聴きながら」、両方とも勝手知ったる良い曲である。欲を言えば自分の一番好きな「天使のウインク」を聴きたかったが、ややアップテンポな曲なので仕方ないところだ。様々な病気を抱える我々世代に勇気を与えてくれるステージだった。
そして再び忍耐の時間を過ごした後、トリに南こうせつ。ここは奇をてらうことなくハナから「神田川」を披露。変わらぬ美声に生バイオリンは反則やね。そしてこうせつも若い。ダメージジーンズを穿き、かぐや姫時代とほとんど変わってない。
もう一曲、やはりコロナ禍時に作った歌を歌い終わったところで、再びイルカ登場。これは!もしや?そう、やはり歌わない訳がなかった。しかもこうせつとのデュオで満を持して「なごり雪」。素晴らしいハモりもあり感激しきりであった。
最後にはこれもレコード会社の関係か、サプライズゲストでサブちゃん登場。車椅子に乗り歌うことはなかったが、とても元気そうでハキハキとした会話をしていた。ここに来てキタサンブラックが種牡馬としての評価をグングン上げていることがパワーになっていると見た。
最後の最後はお決まりの出演者全員による「翼をください」の大合唱。最も恐れていた「立たされて、歌わされる」ことなく無事終了。これぞコンサートか。聴きたい歌も聴けたし、サンプラザを見送る感じにもなったし、思ったより満足な時間であった。
次は松田聖子の「コンサート」に行きたい。
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